秋祭りの日本酒について


伊豆も海辺から始まった秋祭りも11月1~2日に掛け、南伊豆の各部落などで行われる秋祭りで最後となる。
伝統文化を継承すると言う意味でも長く続けていきたい行事ではありますが、
祭りの意味など一度考えてみることも必要ではないでしようか。

農耕民族である日本人が秋の豊作や豊漁を祝って鎮守の神様に農作物や魚などを捧げ五穀豊穣のお礼を申し上げに行き、神前に捧げた物を神様と農民、漁民が一緒に頂くのが豊年満作を祝う祭りだと、素人考えで考えている。
奉納の農産物の中で農の基本である米から造った清酒は神に捧げる神酒
(しんしゅ) や御神酒(おみき)と言って清めの酒として我々日本人の神事などには必ず捧げられるお酒が日本酒である。

先日ある飲食店様が今の若い人たちは「日本酒は不味い」とよく言うが、あれは祭りで色々のお酒をチャンポンで飲まされ変な酔いかたをして日本酒は不味いと頭に刷り込まれている、と話しておりました。
「正にそのとおりだと私も思う」私自信も若い頃の祭りで変な酔い方をして日本酒に不信感を持ち「日本酒は不味い物と思って来たが、商売柄、日本酒の中でも地酒に興味を持ち、蔵元などに足を運ぶようになり、色々飲んで行くと、
その土地の食に合った美味しい日本酒がいっぱい有ることに気づいた。

嗜好の変化から祭りには全種類の酒が揃いビールあり、焼酎あり、中には
ウイスキーやチューハイまで出てくる祭りもある。
でも私は違うと思う。
個人の好みで、家や飲食店で好きな酒を飲むのは多いにけっこうですが、
神事には神聖な清めの酒として清酒で行事の安全などを清め、 土地の神や、鎮守の神に捧げるお酒が清酒である。
農の基本が米であり、米の副産物として清酒がある、農の祭りに副産物の雄は、やはり清酒ではないだろうか。

日本酒は世界で一番高価な原料と、世界の酒造りの中でも最高の技術とも言われる製造技術で醸されるのが日本酒です。
海外での日本食ブームで日本食に合うお酒として日本酒が、海外では凄いブームとなっております、それも大手の物より地方の小さな蔵の地酒が評判となっております。

欧米では「国酒の滅びる国は国が滅びる」とも言われております、日本の国酒は 清酒です。
また日本の飲食文化も変な方向に来ていると感じる、飲食店で席に着くなり
「お飲み物は何にいたしましよう」・・・・私はこの言葉にいつも違和感を感じます、お客様から「まずビール」と言わせたい為の造語です。
お飲み物を先に選ばせる事への間違い、食が先で、「その食に合うお酒は此れです、如何ですか」とお客様にお薦めするのが本来の薦め方だと思います、飲食店はぜひ一度その辺から見直すことが大切だと私は考えます。

若いお客様の中に「ポンシュ」を下さいと言うお客様がおられますがこの言葉ほど日本酒を馬鹿にした言葉は無いと思っております。
今や世界の酒の中でも脚光を浴びているお酒が「日本酒」 です、日本人は旨を張って我が民族の酒を「日本酒」と呼びたいですね。


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